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宮下朝子さん

Bachelor of Science
(Nursing) (Registered Nurses)
コース を終えて・・・その後


第1回 病院実習は必須!
第2回 いよいよ病院実習に行く!
第3回 勤務体制について
第4回 最終回  




宮下朝子さん

宮下朝子さんは、2001年12月、大学のコンバージョンコースを修了されました。12月から4回にわたり、朝子さんの語学留学に始まり、看護学部コンバージョンコース入学・終了までの体験談を4回にわたって掲載させて頂きましたが、このコーナーでは、西オーストラリア州での看護婦登録までの体験談を綴っていただきます。
朝子さんは、この6月、RNとして Nurses Board of Western Australia に登録されました。

朝子さんのプロフィール


                


第4回 最終回


今回は、「えっ?!こんなのもいいの?」というエピソード3からお話ししたいと思います。

《エピソード3:お酒が飲める!?》


喘息を患っていた陽気でちょっと意地悪な患者さんの話です。

この患者さんは、私の実習期間中に、かなり調子も良くなり、転院先さえ見つかれば、もう退院というところまできていました。彼は、もう、すっかり退院のつもりで、「明日には退院だ、退院だ。」と言っていたのですが、肝心の転院先のベッドが空かないため、なかなか退院できません。ドクターは、病室を訪れるたびに、「まだベッドが空いていないからね」と何度も説明していましたが、本人はそんなことは聞く耳を持っておらず、いつも「明日、退院だ。」と看護婦さんに話していました。まあ、退院が出来るぐらいの状態なので、本人や家族はとにかくうれしいのです。

それで、本人が家族に頼んで、面会の時にビールを持ってきてもらった時、彼が私に、「このビールをこのコップに注いでくれ」と言ったのです。私は、「いや、病院でビールはだめだろう」と思い、患者さんに「誰が許可したの?」と聞くと、「コップ一杯はいいと言われたことがあるんだよ。」との返事。私は、その時、近くいたプリセプターに確認すると、「いいのよ。」と返事が返ってきた時は、「えっいいの!?」とびっくりしながら、ビールをコップに注ぎ、彼に渡しました。その時の私の表情があまりにもおかしかったのか、彼と彼の家族に笑われてしまいました。その日一日、私は、日本とのギャップにぼっとしていたような気がします。


振り返ってみると、すごく大変だと思われていた病院実習も、あっという間に終わってしまいました。何が一番大変だったかな、と考えると、やはり英語の壁が大きかったように思います。オーストラリアには、色々な国籍の人達がいるので、患者さん一人一人が、何を言っているのかを聞き取るのは大変でした。また、申し送りのテープを聞き取るのも大変でした。でも、その反面、私が日本でやってきた看護のスキルは、十分に活用できると自信を持つことができました。

大学の勉強も終え、病院実習を終えた今、WAで看護婦としての登録を終えました。英語への壁は昔も今も変わることなく私の中に存在していますが、WAで看護婦として働くかもしれないので、日々の努力を忘れないようにしたいと思います。今まで、私のエッセイを読んでくださって本当にありがとうございました。

2002.9.25

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第3回 勤務体制について


私が実習したロイヤル・パース・ホスピタルは、日本と同じ3シフトがメインです。日勤が7:00〜15:30、準夜勤が13:00ー21:30、深夜勤が21:30〜7:00だったと思います。私は、日勤と準夜勤を経験しました。たいてい、各勤務帯には、エージェンシーから来ている看護婦さんが2〜3人は勤務しています。

看護婦が受け持つ患者数は、4〜5人です。4〜5人という人数は、私たち日本の看護婦にしてみれば少ない方ですが、看護婦さん達は、4人受け持つともう大変といった感じで働いているのが、私には不思議な光景でした。

又、実習病棟は、特に決まった科があるわけではないので、常にいろいろな疾患を持った患者さんを看なくてはいけないため、そこに勤めている看護婦自信も、知らない処置や機械などが常にあり、看護婦同士で勤務交代する前に引継ぎをしたりしていました。私も、次の勤務の看護婦さんに聞かれるチャンスがあった時は、「やった!」と思いながら引継ぎをしました。こんな私でも役に立ったと思えた瞬間でした。

次に、日本ではなかなか見られないと思われる、エピソードを書いてみたいと思います。


《エピソード1:マーゲンチューブ》

それは、新人と思われる看護婦さんと先輩の看護婦さんが、マーゲンチューブを挿入している時のことでした。二人は、一生懸命、チューブを挿入するのですが、スムーズにいかず、どうしてもチューブが患者さんの口の中でとぐろまいてしまうという事態が何回か起きてしまいました。患者さんの表情は非常に辛そうなのですが、当の処置を行っている看護婦さん達は、うまくいかないのを笑ってごまかすといった感じで、非常に楽しくその処置を行っていました。まあ、最終的には、無事にマーゲンチューブは入いり、その処置は終わりました。そして、患者さんからの苦情は一切ありませんでした。

私が日本で勤めていた病院では、マーゲンチューブは医師の行う処置だったので、それを看護婦さんがやってしまうことにも驚きましたが、患者さんの苦痛の表情をもろともせず、パースの青空のように、さわやかに笑いながら処置している姿も、日本では、なかなか見られない光景だと思いました。

《エピソード2: 言い訳》

新人の看護婦さんと思われる人が、脳疾患と思われる患者さんを受け持った時のことです。その患者さんは、常にベッド上で暴れるため、ケア時に困難をきわめていました。そして、その看護婦さんは、パニックを起こしてしまったのか、先輩の看護婦さんに助けを求めに行き、「私は、こんな患者さんを看たのは初めてで・・・・・」と先輩の看護婦さんがその患者さんのケアをしている最中、ずっと言い続けていました。

私は、この光景を見た時、正直いって、開いた口がふさがらない思いがしました。日本で、新人の看護婦さんが、こんな行動をとったら、先輩の看護婦さん達に、冷たく一言「勉強して」と言われることでしょう。でも、見方を変えると、この光景は、新人看護婦さんにとって、すごくいい環境だといえるかもしれません。なぜなら、新人看護婦さんは、わからないことや自分の気持ちを、堂々と先輩看護婦さんに意思表示できるからです。そしてさらに、先輩看護婦さんも、そういうとまどい等を、暖かく受け入れる土台を持っているわけですから。


私は、ここで学んだことを、実習にうまく取り入れたような気がします。わからないことや初めてのことは、何回でもわかるまで聞くし、できないことは「できない」とはっきりと言うことができたおかげで、私はミスすることなく、実習を終えることができたのだと思います。
そして、実習をしていて大切だと感じ、実際に努力したことは、私が疑問に思ったことや見てきたことなども、常に指導者の方に報告したり伝えるたりしたことです。エピソードの新人ナースのような自己表現はなかなかできませんが、できるだけ指導者とコミュニケートすること。そうすれば、忙しい実習場での実習生の存在をいつも意識してもらえるし、こちら側のやる気も理解してもらえるからです。

2002.9.1

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第2回 いよいよ病院実習に行く!


私は、病院実習に行く前に、他の学生達といっしょに、実習についての注意事項やどこの病棟に行く事になったかなどのオリエンテーションを受けました。

その時に、実習の評価表をもらいました。その評価表は、ANCIの competency (看護婦として必要な能力)にそって作られており、これだけのことを2週間でやろうなんてとても無理だと思いました。この時点で、私は、評価表のことはあまり考えないようにしようと決めました。なぜなら、それがプレッシャーになって、自分の本来の持ち味が実習に活かせなかったら、身も蓋もないと思ったからです。更に、他の方のアドバイスでは、実習は、医療・看護ミスをしないよう、安全に看護行為を実施することが最も大切なことだときいていたので、無理をせず、安全に実習を終わらせることに集中してやることにしました。実習に行く前に、私がやったことは、自分なりのやりたいことや実習にたいしての目標を立てたことでした。

そして、私は、配属されたロイヤル・パース・ホスピタルで実習を始めることになりました。最初の2ー3日は、ただただプリセプターの方の後を必死についてまわるのがせいいっぱいでした。録音されたテープで聞く申し送り
(*)は、何を言っているかわからないし、いったい今、誰のことを申し送っているのやらわからず、焦ってしまいました。また、ドクターが書いている指示やカルテの内容も、何が書いてあるのかわからず、プリセプターの方が、患者さんの様子をカルテで見てみようと言われた時も、読めないことが多くありました。(ドクターという人たちは、字を書くのが下手なのか、それとも、私がただ読めないだけなのか・・・ それにしても、すんなりと読めることは少なかったです。)

* パース市内のほとんどの病院では、申し送りをテープに録音するスタイル(Taped nursing reports)を採用していて、次の勤務者は、それを聴いてから仕事を始めます。直接机を挟んで顔を合わせながらの引継はしません。

字が読めないことで一番困ったのは、患者さんに薬を渡す時です。毎回の与薬時には、処方と実際の薬を照合しますが、どの薬を渡していいのか分からず、すごく時間がかかったことです。私は、本当に、処方箋に何て書いてあるかが読めなくて、毎回、読めない薬をプリセプターに確認してもらい、何とか毎日、無事に薬を患者さんに渡すことができました。

後、だいたい毎日受け持ちの患者さんが違うので、毎日薬のことは調べていました。この成果が有り、患者さんに薬の質問を受けたとき、答えられたときはうれしかったです。また、運良くそこにプリセプターの方がいてくれたので、私はここで、少しいい評価をもらうきっかけになったと思いました。

次に、カルテについて説明したいと思います。カルテは、2つに分けて置かれます(退院時に1冊に綴じられます)。患者さんのベッドサイドには、ケアープラン・バイタルサインのチャート・薬についてのカルテが置いてあります。ですから、ベッドサイドに行けば、何時でも、患者さんの一般状態を知ることができるようになっているし、ドクターも、患者さんの状態を診た後、すぐに指示の変更ができるようになっています。(指示の変更を出したドクターは、担当の看護婦に直接伝えることになっています。)

もう一つのカルテは、それ以外のもの、たとえば、入・退院歴、既往歴、経過記録(入院してからその患者さんに関わったすべての医療従事者が記録するもの)などが綴じてあり、病棟のレセプション、または、看護室に置いてあります。記録を書きたいときや見たいときは、そこでカルテを探します。(そこにないときは、事務の方かドクターが使っていることが多いです。)

最後に、経過記録について説明します。毎日の患者さんの経過を記録する用紙の形式は一つです。記入の仕方としては、私が実習した病院では、まず、誰がその記録を書いたかがはっきり分かるように、シールを記録用紙に貼り付けるか、手書きします。そして、今日の様子を書いていき、記録の最後には、誰が書いたかというサインを必ずします。記録は、時間を追って、その時々の状態を書いていくので、日本で使っていたSOAPの様式は使っていません。また、看護婦は、日本でいう日勤の勤務帯の時は、すべての患者さんの記録を書きますが、準夜勤と深夜勤の時は、特に様子が変わった患者さんの記録だけを書きます。だから、ほとんどの看護婦の人たちが時間内で帰っていきます。こんな光景は日本ではお目にかかれないのではないか思いました。

次回は、私が経験した日勤と準夜勤についての出来事を書きたいと思います。

2002.8.1

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第1回 病院実習は必須!


タイトル通り、今回は非常に大切な病院実習のことについてです。なぜなら、コンバージョンコースを病院実習をしないで終えると、私たちは、大学の学士号はもらうことはできますが、看護婦登録はできないからです。看護婦の登録ができないということになれば、私のように、非英語圏から留学している学生さん達の目的は達成できないことになります。(参考までに、英語圏のシンガポールや香港などからの留学生は、このような病院実習をしなくても看護婦登録ができることもあります。)

私が、このコンバージョンコースに入学を決めたとき、このコースを卒業すれば、看護学士号取得とWAでの看護婦登録ができると思っていたのです。でもすべてのものが終了し、いざ看護婦登録の手続きを始めたところ、私は看護婦登録ができないという事実に直面しました。私は、すぐに大学とコンタクトを取り、登録できないことを話したところ、大学側でも、「それはおかしい。すぐNurses Boardに確認を取るから。」ということになりました。

そこで初めて、非英語圏から来た留学生が看護婦登録をするためには、コンバージョンコースの中できちんと病院実習を終えなくてはいけないと言うことがわかったのです。この事実を、先生をはじめ、私たち学生も今まで知らなかったのです。この時点で、私は卒業を待つだけだったので、私の担当の方は、「大学の学士を取れたことはすごく価値のあることだから、もしあなたが実習をしたいのであれば、もう私の担当ではないから。」と、実習担当者のところに行くようにアドバイスを受けました。

その後、私は、周りの人達の助けも借りながら、大学側と何度も話し合い、無事に病院実習を行うことができましたが、ここにたどり着くまで、「どうしてこんなことが起こるんだ」と、私は何度となく憤りを感じました。もし私が、病院実習もせず、看護婦登録を諦めていたら、事態は改善しなかったでしょう。私や、同じく学んでいる人達と大学側に問題をなげかけたことで、これからの留学生達は、何の問題もなく、規定の病院実習をし、コンバージョン コースを卒業後、学士と看護婦登録を手にすることができると思います。

この経験から私が言いたいのは、「おかしい。これは理不尽だ」ということが留学生には度々起こるということです。そういう時に、諦めてしまう人も多いと思いますが、もし、自分の信念を貫きたいと思うのであれば、楽ではありませんが、いろいろと手を尽くしてその問題に立ち向かっていけば、何かしら道が開けてくるということです。最後に、西オーストラリア州では、つい最近、大学のコンバージョンコース修了者の看護婦登録についての取り決めが改められたにも関わらず、Nurses Boardの判断次第で、看護婦登録の手段が、その人個人の状況で変わるということを知っておいた方がいいと思います。


今回は、私が実習に行くまでのことを書いてみました。次回に私の病院実習について書きたいと思います。

2002.7.9

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看護留学@
                                          





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