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さいこさん(HN)の場合

看護師として病院で働いてる友人から派遣のEnrolled Nurse をしている
さいこさんを紹介されました。二人が出会ったのは、さいこさんが
友人の働いてる病院に派遣されたのがきっかけでした。
今まで、ENの資格を持つ方に直接お話を伺う機会が
ありませんでしたので、お仕事、勉強にお忙しいさいこさんに、
ご無理を承知で体験談をお願い致しました。
最近では、ENを目指す方も多くなりましたが、
さいこさんの体験談が、EN・RNに関係なく、留学・進学を
目指す方々に大きな勇気を与えてくれるものと信じております。
さいこさん、貴重な体験談を本当にありがとうございました。

2006年10月2日



さいこさんの簡単な経歴と、豪州でEnrolled Nurse (EN)を目指そうと思われた理由について教えて下さい。

初めまして、さいこと申します。パースに来てちょうど三年が経とうとしています。私はEnrolled Nursingのコースを一年半TAFEで学んだ後、半年ワーキングホリデー期間にEnrolled Nurseとして働きました。そして今は、Edith Cowan UniversityECU)にてRegistered NursingRN)の勉強をしながら派遣ENとして病院で働いています。

ENを目指そうと思ったきっかけは、“なんとなく”でした。ずっと昔から海外に留学したいという漠然とした夢を持っていて、ただ英語を話せるようになりたい、その一心で大学三年生の時に留学を決めました。でも英語だけではダメだ、せっかくだから何か資格を取って帰りたい、と思っていた矢先に、日本にあるオーストラリア大使館でたまたま “オーストラリアで看護学を学ぶ” という記事をみつけました。もともと母や親戚がナースだったという影響がやはり強かったせいか、「よし、これだ!!」とその場でひらめき、その場でTAFEの看護学に決めてしまいました。直感でしたね。

大使館にあったコンピューターで情報を得たのですが、検索結果がTAFEしかなかったんです。今思えば、看護の大学なんてパースには他に3校もあるのに。今思うと、直接大学でRNコースをやるのでなく、TAFEENコースをやってよかったなと思っています。私の機械音痴に感謝です(笑)。だから私は“なんとなく”で現在に至っております。


TAFEのコースに入学されましたが、入学準備のために履修されたコース等がありましたら、そのコース名や内容等について教えて下さい。

TAFEの看護学科に行くには、(TAFEに限らず、看護科の場合はIELTSで6.0以上のポイントを取らなければ入学が許可されない)ということを聞いたので、私はTAFE付属の語学学校にすすむことにしました。英語コースは「ELICOS : English for Academic Purposes」です。

英語学校では宿題もあまりなかったし、今思えばパラダイスでしたね(笑)。パースに来てすぐいろんな国の子たちと仲良くなれて、友達作りにはベストな環境でした。英語が全然話せなかった私は、とにかくそこでほんの少しずつ自信をつけていくことができたように思います。

英語学校での最後のテスト(Reading / Listening / Writing / Speaking)にて、すべて「2+」をクリアすると、メインコースへの入学が許可されます。ちなみに私は全てギリギリ2+でした。そこでかなり悩みました。メインコースへそのまま入学するか、それとも英語のコースをもう半年延ばすか…。きっと上のレベルの方が揉まれて英語も上達するだろう、という願いのもと、周囲に押されるままに私はすすみました。メインコースが始まると、かなり蹴落とされました。先生の言っていることがわからない、クラスメートの会話についていけない…。そんな状況がしばらく続き、「しまった、もう少し英語の勉強をしてからすすめばよかったかな?」とも思いました。でも、そんな悩んでる間もなく、勉強せざるをえない状況だったので、忙しさに紛れなんとかやってゆけました。

その他(私は行きませんでしたが)、Certificate III in Bridging for Enrolled Nursingという半年のコースもあるようです。

もしTAFEのメインコースを希望する方は、授業料は多少高くてもTAFEの英語コースをおすすめいたします。

TAFEのENコースで履修された科目や時間数について教えて下さい。

一年半フルタイムで、月曜から金曜まで毎日学校に通っていました。そして毎日なんらかのテスト、プレゼンテーション、エッセイの提出があり、休まる間なく勉強だったように思います。

以下が、一年半で履修した科目の全てです。

-          Anatomy & Physiology 1,2 (48/ 30 hrs)
              解剖生理学。体のつくりについて。

-          Microbiology (22 hrs)
      細菌学。病気のもととなる細菌など。

-          Nursing Science 1-4 (36/ 28/ 32/ 18 hrs)
      看護化学。一学期に一つずつあって、病気や予防など。

-          Psychosocial development 1,2 (24/ 18 hrs)
      発達心理学。赤ちゃんからお年寄りまでの発達過程など。

-          Nutrition (12 hrs)
      栄養学。人間が生きていくうえで必要な栄養について。

-          Interpersonal skills in Nursing Practice (36 hrs)
      どのようにして患者さんと接してゆくか。

-          Professional, Legal & Ethical issues (24 hrs)
      妊娠中絶、マリファナ治療、安楽死など、看護の中での法や
      人権に関する問題。

-          Nursing Practice 1-3 (178/ 262/ 352 hrs)
      臨床実習。一学期;老人ホーム/ 二学期;病院での実習×2/
      
三学期;病院×3、老人ホーム、コミュニティーナース。

-          Multicultural issues in Nursing (12 hrs)
      先住民アボリジニや多文化について。この科目はオーストラリアの
      看護科では必須とのことです。

-          Health promotion & disease prevention (18 hrs)
      どうやって病気を防ぐか、健康を維持するかということを、公共の場で
      グループプレゼンテーションしました。

-          Professional practice (18 hrs)
      薬の計算法や、書類の書き方など、働く上で身に着けるべきこと。

-          Health services industry overview (12 hrs)
      オーストラリアでの医療保険の仕組みなど。

-          Introduction to critical thinking (20 hrs)
      コンピューターを使ったリサーチの仕方など。

ENコースのクラスメートや教師陣の様子をお聞かせ下さい。

私はJoondalupにあるWest Coast College TAFEに通いました。芝生にはなんとカンガルーが現れるのです!!!自然に囲まれて、勉強には最適な環境でした。

そこでの先生たちは素晴らしい!!の一言です。こんな英語のできない日本人の私を最後まで面倒をみてくれました。先生達はみな元ナース又は現役ナースで、知識があるだけでなく思いやりも忍耐もある優しい人たちばかりで、まさにナースの鑑でした。実習で嫌な目に遭ったときも、私の話をじっくり聞いてくれて、それでも「大丈夫、ちゃんと頑張れば卒業できるわよ」と、私を見捨てることなくケアしてくれました。いつでもフレンドリーで優しくそして厳しく教えてくれました。

留学生たちへのサポートのクラスもとてもしっかりしていると思います。英語が追いつかなかったのは全学年の中、多分私一人だったと思います。私の先生達が英語サポートの先生に連絡をとってくれて、強制的に英語を強化させられました。英語の先生がいなかったら私はとてもではないけれど卒業できなかったと思います。

クラスメートたちにも恵まれました。同学年全体で100人弱。クラスが3つに分かれていて、日本人は私一人であとは大多数がオーストラリア人でした。アフリカ人が多少、シンガポール、ベトナムなどが少しずついるかんじでした。皆仲良くしてくれて、英語の追いつかない私を引っ張っていってくれました。皆忍耐強いですよね。

よく尋ねられる質問ですが、ENとRNの違いについて教えて下さい。

仕事内容ははっきりいって変わりません。現在ECUで学んでいることはTAFEで一通り学んでいるし、むしろTAFEの方が実践に役に立つかなと思うぐらいです。しかし、ENコースを終えて、実際ENとして半年働いた中で感じたことなのですが、やはりENは権限がRNに比べて狭いということ。Medication Competency がないということで薬を扱えないこと、それが一番大きいと思います。一言で言えば、責任感の重さの違いではないでしょうか。もともとワーホリ期間でENとして働いたら帰国しようと思っていたのですが、ENとして実際働いてみてやっぱり物足りなさを感じ、そこでRNまで目指そうと決めました。

勉強していく中で、苦手だった科目とその克服方法について教えて下さい。

一番苦労したのは解剖学と細菌学でした。英語でもう一度ミトコンドリアから勉強するというのは、本当に辛かった。英単語を覚えるのが一苦労でした。というのも、メインコースが始まってから授業で先生の言っていることが全く聞き取れないという状況が二ヶ月続いたので、頼れるのは手元にあるプリントのみ。とにかくもらったプリントを文章ごと丸覚えすることだけしました。読み書き、日本人の一応得意とする分野ですよね。質問さえ理解不能、それこそ答えなんてわかるはずもない、というようなことは日常茶飯事でしたね。テストは一度でパスすることはまずありませんでした。TAFEでは二回のチャンスがあって、再試験にはお馴染みの顔で、Resit Queenと呼ばれました(笑)。二度目のテストはむしろレベルアップしているのですが、それでも全て奇跡的にギリギリのところで受かってきました。毎日毎日新しい単語を覚えていくうちに、いつの間にか楽になっていたように思います。


臨床実習についてお聞かせ下さい。

一学期: Nursing Home (Aged Care/ 5wks)

二学期: Royal Perth Hospital (Medical & Surgical/ 3wks )Joondalup (Mental health/ 3wks)

三学期: Hollywood hospital (Palliative care/ 2wks)Graylands hospital (Mental health/ 3wks)St Andrews (Aged Care/ 2wks)Anglican Home (Community Nursing/ 1wk)Princess Margaret Hospital (Paediatrics/ 2wks)Joondalup Hospital (Operating theatre/ 2wks)

学校の先生が準備してくれて、指定された病院先で実習を受けました。TAFEから先生が来る場合もあれば、その病院先で生徒指導をするナースがいる場合もありました。

中にはとても意地悪な先生もいましたが、たいていは協力的でよかったと思います。

評価は、TAFEの先生がたまに見回りに来て、その日に一緒に働いたナース達に評判を聞いてサインをしてくれました。

実習中、最も苦労された事は何でしたか?

ずばり言語の壁でした!!一学期のNursing Homeでまずは、どうやってクライエントと接するかわからない、何を言っていいのかわからない、そして言ってることが聞き取れない。そしてちょっとした言い回しがわからない、ということで苦労しましたがここはなんとかクリア。

次に二学期になり、いよいよ大きな病院では先生にめためたにされました。自分の英語のつたなさを感じずにはいられず、とうとうつまずきました。我慢できず公衆のトイレで大泣きしてしまったら、ある患者さんのおばあちゃんがなぐさめてくれて、キリストの十字架のネックレスをくれました。私は無宗教ですけれど(笑)、優しくしてもらったことがとても嬉しかったことを今でもはっきり覚えています。もうだめだ、と思う度に、家族やホストファミリー、友達みんなが支えてくれたおかげで前に進むことができました。そして何より、患者さんたちにいっぱい励ましてもらいました。

実習中の楽しい思い出をお聞かせ下さい。

行く先々に友達のナースがいっぱい増えて、人脈が広がったこと。一期一会、新しい人に出逢えること、それが一番嬉しくそして励みになりました。辛かったこともあったけれど、今となっては全てが楽しかったです。ひとつひとつ新しいことを覚えてゆくのはやっぱり楽しいものですよね。

就職活動は、どのように行われましたか?また、インタビューの内容などについて教えて下さい。

私はEN学生のときは、看護助手としてバイトしていました。それは、TAFEでの二度目の実習で大泣きした後に先生が半ば強制的にやりなさいとすすめてくれたもので。それはとても勉強になりました。

EN卒業のあとは、自分で進路を決めてアプライしました。学校で情報はくれるけれど、推薦などはなかったと思います。

とりあえずわたしのビザはワーホリだったので、三ヶ月で仕事場を変えなければならないということで働ける範囲が狭まっていました。ですから道はあまりなく、Nursing HomeENとして三ヶ月、派遣としてまた三ヶ月というかんじでした。

就職は知り合いを通じてだったので、スムーズでした。

現在、派遣のENとして働いていらっしゃいますが、派遣業務を選択された理由を教えてください。また、派遣のシステムについて簡単に教えてください。

学校と仕事との両立で、フレキシブルであってほしいというのが理由です。休みたい時は休め、働きたい時はたくさん働けるので。

しかし学校のほうが安定してきたら、どこかの病院にカジュアルとしてアプライしようかと考えております。

派遣会社に登録しますと、電話が来てシフトがもらえます。自分のスケジュールも伝えられ、希望する病院も選べます。フレキシブルではありますが、突然キャンセルの電話がくることもあるので、働きたいときには不都合です。

業務内容を簡単に教えてください。また、ENの仕事についてご感想をお聞かせ下さい。

Medication Competencyがないので(どちら道、病院によっては派遣ナースは薬をあげるのは許されない)、薬以外の仕事はたいていやります。常にRNと組んで、意向を仰ぎ、ダブルチェックをし、チームの一員として働きます。時には、薬が扱えないことで、自分の無力さを感じることもあります。

さらにRNの資格を取るために、大学の講座も履修されていますが、その講座名と講座入学の方法を簡単に教えてください。

現在、Edith Cowan UniversityにてBachelor of Nursingを勉強しています。ENコースを取っていたため、ある程度の科目の免除はありますが、最低2年はかかるそうです。Nursing practice、解剖学、化学などをやっています。

今後の抱負についてお聞かせ下さい。

今はもっともっといろんな出逢いと経験をして、何よりも自信がほしく思います。まずは目前の目標、“大学を卒業!”することを達成すること。無事RNになれることを夢見て、勉強に打ち込みたいと思っています。

これからENを目指そうとされている方々に、アドバイス(全体的に)がありましたらお願い致します。

TAFEの教育は本当にしっかりしていたように思います。
これを乗り越えたことが今の私には何よりも自信になっていて、大学の勉強も簡単に感じられます。私はこのENコースにすすんで心からよかったなと思います。ご不明な点などございましたら、いつでも喜んでご相談にのらせていただきたく思います。
諦めない限りは必ずやれると思いますので、どうか皆さん頑張ってください。


看護留学@
 




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